経済コラムマガジン 平成9年2月10日より
経済コラムマガジン




10/7/12(623号)
10年参議院選挙の結果

  • 民主党の自殺
    参議院選挙の結果が出たので、今週はこれについて簡単なコメントを行う。与党の民主党と国民新党が議席を減らした。一方、自民党が議席を増やし、みんなの党が躍進した。民主党の敗因は色々と言われているが、概ねメディアが分析している通りであろう。

    たしかに菅首相の唐突な消費税発言が影響した。しかしこれがなかったとしても、目標の54議席は微妙だったと筆者は見ている。いずれにしても与党の過半数割れは避けられなかったと思われる。


    民主党は地方の一人区で大敗したことが民主党の敗因である。反対に前回、前々回の2回の参議院選挙で野党であった民主党は、この一人区で自民党に勝った。これが政権交代に繋がった。

    特に経済的に苦しい地方に一人区がある。しかし民主党政権になってむしろ地方の経済状況は悪化している。例えば「コンクリートから人へ」という空疎なキャッチフレーズのもと、公共投資を18%も削減した。代替基地で話題になった徳之島などが対象になっている離島振興事業なんて3割もカットされている。基地を受け入れたならば公共事業を持ってくるという話なのであろう。

    自民党も毎年3%程度公共投資を減らしてきたが、民主党はもっと酷いと地方は感じているはずだ。民主党が公共投資に消極的な政党だとしても、公共投資に代わる地方への施策があるわけではない。大事な参議院選挙を前にして公共投資を18%も削減するなんて、まさに民主党の自殺行為であった。


  • 衆参にねじれ現象
    菅首相の消費税発言についてコメントする。原口総務大臣の話では、G20から帰ってきた菅首相が原口大臣に電話をしてきたという話である。どうもギリシャの財政問題が大変であり、そして次は日本の国債が危ないと首相は思い込んでいたようである。原口大臣は、日本の貯蓄状況や経常収支が黒字であることを取上げ、日本とギリシャでは財政状況が全く違うと説明した。

    しかしどうも菅首相はこの説明に納得しなかったようである。この日本の国債が危ないという思いが消費税増税に繋がったのであろう。欧州のソブリンリスクなんてデッチ上げと筆者は何回も言っているが、このような話にひっかかる人が本当にいたのである。


    民主党が大敗し、衆参にねじれが生じた。今のところ国民新党以外で与党に参加するところがないようである。先の衆議院選挙で民主党は大勝しているため、常識では3年後まで解散しないと思われる。つまりねじれ状態は当分の間続き、次の選挙は衆参のダブル選挙になる可能性がある。

    今後、野党は事あるごとに解散を求めるであろう。マスコミも解散を煽るはずである。これから3年間は国会がもめると思われる。

    しかしねじれ状態が続く限り、民主党連立政権は思い切った政策を実行することができないであろう。向こう3年は公務員制度改革といったちまちました政策が続くことになる。もちろんデフレ経済からの脱却なんて無理である。



来週は、最近のトピックスを取上げる。



10/7/5(第622号)「サミットの変質」
10/6/28(第621号)「各党のデフレ対策」
10/6/21(第620号)「菅首相の想定」
10/6/14(第619号)「EU市場混乱の本質」
10/6/7(第618号)「EU経済の混乱とIMF」
10/5/31(第617号)「議論の前提条件」
10/5/24(第616号)「現実離れの構造改革派」
10/5/17(第615号)「これも一歩前進か」
10/5/10(第614号)「一歩前進か」
10/4/26(第613号)「ガラパゴス症候群証」
10/4/19(第612号)「マクロによる検証」
10/4/12(第611号)「ミクロで捉えた日本経済」
10/4/5(第610号)「何事もタイミング」
10/3/29(第609号)「政策提言の想定問答」
10/3/22(第608号)「政策提言(後半)」
10/3/15(第607号)「政策提言(前半)」
10/3/8(第606号)「税収と名目GDPの関係」
10/3/1(第605号)「政治ができる事」
10/2/22(第604号)「積極財政への雑音」
10/2/15(第603号)「経済と金融の間の緊張関係」
10/2/8(第602号)「第二回目キャンペーン」
10/2/1(第601号)「第一回目キャンペーン」
10/1/25(第600号)「日本の財政構造」
10/1/18(第599号)「財政非常事態宣言」
10/1/11(第598号)「10年今年の景気」
09/12/21(第597号)「今年を振返って」
09/12/7(第596号)「事業仕分けの顛末」
09/11/30(第595号)「ヘッジファンドの広報担当」
09/11/23(第594号)「素朴な疑問」
09/11/16(第593号)「民主党と官僚」
09/11/9(第592号)「首都圏のハブ空港」
09/11/2(第591号)「日本郵政の新社長」
09/10/26(第590号)「八ッ場ダムの建設中止」
09/10/19(第589号)「返済猶予法は不合理?」
09/10/12(第588号)「返済猶予法の原案」
09/10/5(第587号)「モラトリアムのポイント」
09/9/28(第586号)「モラトリアムの話」
09/9/21(第585号)「自民党のカルチャーの変化」
09/9/14(第584号)「自民党再生の道」
09/9/7(第583号)「一番の自民党敗因」
09/9/1(第582号)「09年総選挙の結果」
09/8/10(第581号)「総選挙の国債増発」
09/8/3(第580号)「自民党の問題点」
09/7/27(第579号)「苦戦の自民党」
09/7/20(第578号)「米国経済の正念場」
09/7/13(第577号)「選挙マニフェストの話」
09/7/6(第576号)「日本郵政問題の結末」
09/6/29(第575号)「続・国有資産の纂奪者」
09/6/22(第574号)「国有資産の纂奪者」
09/6/15(第573号)「「かんぽの宿」の一括売却」
09/6/8(第572号)「経済をマクロで見る」
09/6/1(第571号)「日本のケインズ経済学」
09/5/25(第570号)「裁判員制度に一言」
09/5/18(第569号)「半径10mの関心」
09/5/11(第568号)「保護主義と国家」
09/4/27(第567号)「中央銀行の国債購入」
09/4/20(第566号)「年金制度改正の私案」
09/4/13(第565号)「筆者の経済対策案」
09/4/6(第564号)「経済対策に必要な条件」
09/3/30(第563号)「政府紙幣論議の結末」
09/3/23(第562号)「GDP統計のマジック」
09/3/16(第561号)「リーマンショックの影響」
09/3/9(第560号)「筆者なりの仮説」
09/3/2(第559号)「政府紙幣(貨幣)論の評判」
09/2/23(第558号)「政府紙幣(貨幣)への巧妙な反対論」
09/2/9(第557号)「政府紙幣(貨幣)論の急な盛上がり」
09/2/2(第556号)「続・構造改革派の変節」
09/1/26(第555号)「マスコミの論調は過渡期」
09/1/19(第554号)「今年の為替と株価の動向」
09/1/12(第553号)「09年今年の景気」
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