- 日本の土地価格については、「もう底をつき、今後は少しずつ上昇する」「底についたが当分横這いであろう」「まだまだ底に達していない。まだ下がりつづける。」と色々な意見がある。そこで、今週は日本の地価の動向を筆者 なりに予想してみる。結論から申せば「土地の下落も最終局面に来ており、場所によってはそろそろ横這もしくは上昇に転ずる」と考えている。理由は3/31(第9号)「日本の株式を考える」で述べた通りであるが、それを列記すれば次の通りである。
- 政府の土地の流動化策が出され、不良資産処理が一歩進む。
- 都市部の容積率の緩和策などで都心の土地の割安感が出てくる。
- サイクル的には不動産もそろそろ動き出して良いと考えられる。
- バブル景気に湧く地域から見れば、日本の土地、特に東京の土地が割安と感じられ、土地取得の動きが活発化する。
さらにこれに追加すれば、「金利の低下」「金融ビッグバンによる金融拠点としての東京の見直し」「バブル期に計画されたビル建設が一段落し、ビル供給が細っている」「政府の土地の流動化策の追加(土地税制の改訂などが考えられる)」などが考えられる。 ではいつ頃からその動きが現われるかであるが、筆者は最後の「政府の土地の流動化策の追加」に注目している。案は現在も検討されていると考えられるが、この具体策が出てくるころから土地の動きが顕在化しいくると予想する。
- しかし「地価の上昇」があるとしても、今回はその地域が限定されると予想される。つまり土地ならどこでも上がると言うわけでなく、一等地と言われる所だけが、ピンポイント的に活発に取り引きされるのである。「日本列島改造計画時」には全国の土地が取り引きの対象となった。ブ-ムが去って、地方の土地の処置にこまった不動産開発業者は、これにこり、前回のバブル時には大都市圏の土地に投資を集中させた。したがって次に土地の投資ブ-ムが来たら、この流れはもっと極端になると考えられる。
また、金融機関も前回のバブルでこりており、土地投資にはあまり積極的にはなれまい。つまりバブル 的なものが起こるとしても、それは「ミニバブル」「ミニミニバブル」と言ったものであろう。しかし、一等地の地価が上昇すれば、二等地・三等地の地価にも良い影響は与え、混迷する「金融機関の不良債権問題」にもある程度助けにはなるであろう。
- 土地取り引きの活発化を示す例はあまり聞かないが、テレビの「ワイドショ-」で放送された「原宿駅前テント村立ち退き騒動」が注目される。筆者は一つの事例で、全体の動きを論ずることは好まないが、後で振り返ったたらこのようなことが、一つの現象の発端であったと言うこともあるので、興味が持たれる。この騒動についてはご存じの方も多いと思われるが、大体の経緯を述べると次の通りである。
- 原宿駅前の空き地にテントを建て商売をしていた業者に2月に急に「立ち退き要請」が地主側からあった。(契約は毎月更新されていた)
- どうも最近地主が変わったらしく、新しい地主はそこにビルを建てるらしい。
- 業者側はそれではこまると弁護士を立て闘う予定
と言うことらしいが、それ以降の経過は放送されていないので、よくわからない。筆者が注目したのは、業者が払っている使用料の高さである。一店舗当り一月110万円位とのことである。一月に110万円払っても、利益があるのだから、やはり東京の一等地と言うものは収益力があると感心させられる。またここには20店舗くらいのテントがあり、それから計算すると地主も年間で2億円くらいの使用料収入があったと思われる。土地の広さははっきりしないが、新しい地主はそこにビルを建てた方がさらに大きな利益が期待できると判断したのであろう。ひょっとしたら「容積率の緩和策」もあり、ビルを建てても採算に乗るようになったのかもしれない。いずれにしても、注目される事例ではある。
- 今後の筆者の予想する地価の動向は以上の通りであるが、参考までに、超長期にわたる地価動向の予想はこれとちょっと異なる。30年以上のスパンで見るなら、日本の地価はやはり下落するのではないかと考える。主な理由は次の通りである。
- 日本の人口は2,007年をピ-クに減少に転ずる。都会はもう少し後にピ-クを向かえるが、人口の減少は土地需要の減少につながる。
- 世界的に見て、現在の日本の地価は異常に高い。一説によれば今の日本の土地代金で米国が四つ買えるそうである。いずれはこれが調整される動きが出てくる。(土地の高い日本から土地の安い海外に工場が移ると言うのも一つの動きであろうし、世界的には人口は増えるのだから日本以外の国では土地の価格が上昇すること考えられる)
日本の地価が高い原因は色々考えられるが、筆者は一番が「戦後の地方から都会への大量の人の流入」と考えている。したがって反対に、人口の減少は土地の価格の下落の要因となるであろう。また世界の地価動向との比較では「為替水準」も考慮する必要がある。仮に遠い将来、日本経済が活力をなくし、円安が進めば、土地価格の総額も国際的に見ても妥当な線に近づくと思われる。 いずれにしても、超長期にわたる経済の予測には不確実なことがつきまとうので、はっきりしたことは言えない。ただ経済の底流にはこうゆう要素もあると考えているだけである。
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